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視点




活動の現場から離れたところで研究に没頭しているこの時間には、重要な意味があるように思う。

当然だが、まずHIV/エイズという言葉に触れなくなった。
それはすなわち、事象について考えを巡らす機会が減ることを意味する。

中に身を置いている時、四六時中考えることを止められなかった私にとって、この状況は有り難い。
距離を置いたところから、回りの景色や状況と合わせてこれに注視することで改めて気付けることが山ほどある。

そして、ある程度批判的に、
活動や現状を切り取る視点も持ち得る。

いずれは内側に戻るとして、そこに厳しさを持ち合わせることはあまりに重要だ。


概して活動家は甘い。
己にも社会にも。


気持ちは先走るが、先々を考えると今はもうしばらく、
やっとの思いで獲得した違うフィールドに身を起きたい。

そこで生きる人の視点、表情、価値観。
いわゆる「普通の人」に同化するべく潜伏する必要があると思うからだ。

自分と異なる基準で生きる人間が持つ『視点』を持ちたい。
この研究の主たる目的はそこになる。

視点が増えれば、視野が広がる。
視点を変えれば、景色が変わる。

それは必ず、自分が担った使命を果たす上で、役立つはずだ。


ただ、先ばかり考えて今動けないのでは意味がない。
人の生きる時間には限りがある。

しかるべき時に、しかるべき決断ができる人間でありたいと、切に願う。




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