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中秋の名月、どうしても吠えたい

9月22日、仲秋の名月

穏やかな観月の夜を迎える。

今日の昼は、気分が荒れていた。

相談のケース検討で、どうしてもあげられない苛立ち、

もっと生きることに欲張れよ、

選択はもう洗濯されて一つしか無いのだから。

HIVスカラシップ委員会、患者参加型医療の実践だが、

こんな良いことやっているのに金が集まらないし、多の要素が入る。

もっと純粋にHIVに絞ってみようよ言いたいが、

口が遅いため伝えられなかった。

死ぬ3日前まではこんな元気だったと、病院のベッドに横たわる姿が、

妻の携帯に写っている。

思っていたよりしっかりしている

片腕、片足、肺が一個になっても、何としても生き抜きたい。

それが、モルヒネを投与すると言われて、がたがたと‥‥。

どうして、信じられないと涙が落ち続ける。

肝癌、白血病、大腸癌、直腸癌、肺癌とこれだけの闘病、

凄いと。もしかして闘いながらももっと生き続ける人と、

私も、希望を抱いていた。

その彼の四十九日が過ぎましたと奥さんの報告。

彼女は、夫の両親や兄弟のために相続すべき財産を放棄したと言う。

よく有がちな、被害者の妻の弱い立場の象徴。

「うおーっ」と、満月に向きあい、

悲しみ、やるせなさ、怒りを思いっきり込め

吠え立てた。

 


 

 

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