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エイズ、30年 彼岸間近に思う


エイズ、30年 秋のお彼岸がもう間近

台風が2つも来ている。ぶり返した熱波は、もう少しの辛抱らしい。

頑張って生きているけど、エイズに直面して、私なりの活動を始めて

30年になろうとしている。80年代前半、新聞や医学雑誌などで、

レトロウイルス原因、伝播経路の科学的説明や血友病患者がリスクに

なっている事実が公表されているのに、嘘をつきとおす厚生省・製薬

企業・血友病医療者の多くに翻弄された。そして利用された患者会の

一部なに問題にすること自体を批難されたこと。でも、東京の患者会

はめげずにエイズ対応(検査結果の開示、HIV・AIDSを医療サポートする

医療体制構築・発症予防治療の導入)、生きるための裁判準備と1日

2-3時間の睡眠の中で仲間たちと疾走しまくった。厚生省の担当者

は患者会や医療者を取り込み、常に私たちの活動を潰そうとまめに動

き回った。

しかし、生きるための戦い、命をかけた正義の戦いに、市民の大きな

支援がいたるところで盛り上がり、私たちは勝利した。

その間、彼も、あの子も、と血友病とともに暮らしていた仲間が、神

隠しにあうように命を奪われていった。今も彼らの笑顔、闘病中の苦

痛な顔、命と対峙した時の表情をなくした顔。命の戦いを今終えた彼

らの唇、額、ほっぺたにキスして別れを告げる妻、恋人、母親。

裁判和解間近にエイズ対策で被害者の医療体制の整備に尽力していて、

つい最近、厚生省の担当課長として赴任してきた方と、そのころの被

害者、エイズ医療現場の話をした。30年経ったエイズ医療、現在の

日本のエイズ医療、ドツボにはまっているで意見が一致した。先駆的

医療や研究にもっと力を注ぐべきと、原告団はつねに国や責務を担う

医療機関・医療者に求めてきた。しかし、マンネリ化は止まらずだっ

た。やっと、エイズの司令塔がその気満々の人が来たので、患者が求

める進歩を止めない医療が復帰すると。

愛する人を失った遺族の人たち、彼岸や盆、そして命日には、思いが

より深まるようだ。

未だ、社会との関係の修復はなく、やはり身内・縁者との距離は遠い。

私も、特に親類で距離が出来てしまった人との溝はなんとなく埋まら

ない。それだけ、エイズは始まりの対処を間違えた国や医療者、マスメ

ディアの問題は大きい。

30年、感染が早かった人たちは、今後どう推移するのか。HIVは脳み

そが大好きだそうだから、きちんと医療サポートが必要だと思う。

リポジストロフィーなどのミトコンドリア症、がんやHCVやHBVとの

重複感染合併症、循環器障害や代謝異常、並べてもきりがないくらいの

全身症状があるから、きちんと研究することが国の責務。

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