「危ない薬」「飲み続けてはいけない薬」その真偽は
近頃、電車内や新聞紙面上に週刊誌の見出し広告として踊っている
字面をみて、驚きと戸惑い、不安、心配に、思いあたる人は多いと
のではないか。
急性期の患者というより、慢性疾患の病気を持ちながら生活してい
く患者には、特に日常の体調管理でその心配と向き合うことが多い。
わたくしも該当する薬を服薬しつつ、慢性疾患のコントロールに気
を付けている。実際に服薬するとき手のひらにおいた薬が、どうな
のか? 不安や心配になる患者は増えているに違いない。
確かに「薬」は治療効果もあるが副作用なないわけではない。逆に
健康被害を与える「害」の面も持ち合わせている。
しかし、一般的には、安全性を最優先に、市販するまでの過程では
段階的に臨床試験を経て最終的に国の審査を受けているはずである。
個々の作用について、限りなく副作用の内容配慮されているはずだ
し、そうではなくてはならない。
主治医が症状に応じて適切な薬を決定して、そのフォロー受診のた
びに適切にコントロールしているはずである。そして、薬局で処方
する時もチェックして誤りがないか確認し、患者に手渡す時も患者
と共に確認しているという流れで、患者は安心して毎日服薬してい
るはずである。
それが、「危ない」「飲み続けてはいけない」となれば、どの段階
で患者は騙され続けているのか。
「一つ一つの記事には正しい点も多いが」、「すべて既知の事実、
医師は当然知っていて、そうした情報を医師はかみ砕いて患者に情
報提供するのが当たり前の内容ばかり」とかいうコメントを語る厚
労省の役人にいるらしい。(2016.8.15付「日刊薬業」から)
しかし、慢性疾患の患者として毎回受診のたびに、服薬し続けて
いる薬を「今は大丈夫ですか」「いつまで大丈夫ですか」と聞く診
療もおかしなものだ。一時の薬で副作用が出た、出なかったという
問題と、ずっと病気と共に生活し続けるため、飲み続ける薬は違う。
毎日毎日のむ薬が「危険」視される対象になっていることは、真偽
を心配するのは当然だろう。
安全・安心のもと、管理している諸関係機関は、不安を生じない対
応、安全管理を表明すべきではないか。